京都府舞鶴市で発生した台風23号の豪雨による悲劇的な事件についてお伝えします。
この出来事では、由良川の氾濫により大型観光バスが孤立し、乗客37人が一夜を屋根の上で過ごすという恐ろしい経験をしました。
しかし、幸いにも海上自衛隊の救助活動により、全員が救出されることができました。
この乗客たちは、兵庫県市町村年金者連盟豊岡支部の公務員退職者と同支部事務局員で、19人の男性と17人の女性で構成されています。
ほとんどの方が60代です。被災したのは「トマトバス兵庫営業所」(兵庫県吉川町)の大型観光バスで、福井県芦原温泉からの帰路にあたっていました。
京都府によれば、運転手を含めて全員が怪我をすることはありませんでしたが、体力の衰えを感じる人もいたため、健康状態を確認するために舞鶴市内の病院に搬送されました。
乗客たちは9時間ぶりに救出されました。
彼らは水に迫られながらも、みんなで肩を組んでお互いを励まし合ったそうです。「わっしょい、わっしょい」と声をかけ合いながら団結しました。
乗客たちは暗闇の中、30メートル以上もの強風に耐え、次第に上昇する水位との戦いの中で、バスの屋根の上でお互いに支え合いながら救助を待ちました。
屋根の上では、水に落ちないようにロープを張り、肩を寄せ合って震えていたそうです。
60代の女性は「向こう岸から警察や消防が拡声器で励ましてくれたが、雨や強風であまり聞こえなかった。携帯電話も不通になった。腰の高さまで水かさが増した」と当時の恐怖を振り返りました。
救助された男性はオレンジ色の救命具を身につけ、ずぶ濡れの体に毛布をかけられて救助されました。
「水位は膝まで迫り、寒かった。声を出したり、肩を組んで助けを待った」と、ほっとした表情で語りました。
舞鶴海洋気象台によると、舞鶴市での雨量は20日に277ミリを記録し、同気象台が設置されて以来の最大値となりました。
また、最大瞬間風速は21日の午前2時6分に32.5メートルを記録し、「人が立っていられない」ほどの暴風でした。
このような過酷な状況に置かれた乗客たちの勇気と団結力は称賛に値します。
私たちは彼らが無事救出されたことを心から喜びます。
しかし、この事件は自然災害の脅威を改めて浮き彫りにするものであり、私たちにとって真剣に受け止めるべき教訓でもあります。
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