新型コロナウイルスのパンデミックが幕を閉じ、徐々に世界が正常化の方向へ舵を取り始める中、観光業界は新たな局面を迎えています。ここ日本でも、外国人観光客(インバウンド)の消費動向は変わり、新たな特性、すなわち三つの「R」が顕著になっています。それは富裕層(Rich)、リピート層(Repeat)、そしてリベンジ消費(Revenge)の3つです。今回の記事では、これら三つの「R」について詳しく解説します。
富裕層(Rich)
コロナ禍を経て日本を訪れる観光客の中には、経済的に余裕のある人々、つまり富裕層が増えています。彼らは一般的に豊富な資金力を活かして、高級すし店でウニの銘柄指定をする、高級ブランドのバッグや宝石をじっくりと吟味して購入するなど、高級商品やサービスへの投資を厭わない特徴があります。
ここでのポイントは、「富裕層」がただの「お金持ち」ではないということです。彼らは質の良い商品やサービスを求め、それに対する知識も豊富で、一般的な観光客よりも深く、そして独自の日本体験を求めています。これは、日本の観光産業がより質の高いサービスを提供することで、より大きな経済効果を期待できるという意味でも大変重要な傾向です。
リピート層(Repeat)
次に注目すべき特性は「リピート層」です。これは既に何度か日本を訪れたことのある観光客、すなわちリピーターを指します。彼らは一度の訪問で得た経験や情報を基に、次回の訪問ではより深い体験を追求します。
ここでも重要なのは、「リピート層」が単に「再訪者」であるという以上の意味を持つということです。彼らは日本文化への理解が深く、ある程度の日本語能力を持ち、日本の地理や交通システムにも詳しい。また、一度の訪問では経験できなかった地域やイベントへの訪問を計画することもあります。彼らは日本のさまざまな地域に散らばり、地方経済の活性化にも一役買っています。
リベンジ消費(Revenge)
最後に挙げる特性が「リベンジ消費」です。これは新型コロナウイルスの影響で自粛や制限を強いられていた消費者が、制限が解除されると同時に強く消費を行う行動のことを指します。
このリベンジ消費は、「我慢してきた分、今度こそ楽しみたい」という心理から来るもので、通常よりも大量の商品を購入したり、より高価な商品やサービスを選ぶ傾向があります。コロナ禍で自粛が続き、溜まったストレスを発散する形での消費は、インバウンド消費の増加を後押ししています。
まとめ
以上が、コロナ明けのインバウンドの特性、三つの「R」についての解説でした。この三つの「R」は新たな消費動向を示し、これからの観光業界に新たな戦略を求めています。しかし、それらは単に経済的な側面だけでなく、文化交流や地域活性化といった視点からも重要な意味を持っています。これからの観光業界がどのようにこれらの特性を取り入れ、どのように新たな戦略を練っていくのか、注目していきたいと思います。
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