茨城県、その巨大像たち
茨城県は、豊かな自然や美しい風景で知られると同時に、驚異的な大きさを誇る巨大像で有名でもあります。たとえば、世界最大級の仏像、牛久大仏をご存知でしょうか?これだけでも見ごたえ十分なのですが、実は茨城にはこの牛久大仏以外にも、様々な巨大像が存在します。今回はその一部をご紹介しましょう。
くれふしの里古墳公園の「はに丸タワー」
初めにご紹介するのは、水戸市牛伏町にある「くれふしの里古墳公園」に建てられた「はに丸タワー」です。この「はに丸タワー」は、高さ17.3メートルの巨大な埴輪(はにわ)の像で、日本一の大きさを誇ります。「埴輪」とは、古代に墳墓の周囲に立てられた土製の円筒形のものを指します。特に、この公園では人型埴輪が出土したことから、「はに丸タワー」はその出土した埴輪をモデルにしています。
この公園は、1998年に旧内原町が公園のシンボルとして「はに丸タワー」を建てました。「古代に繁栄した地域だということを生かしたかった」という町長の意向から、「子どもを遊ばせられる場所になってほしい」という思いが込められ、その結果、この巨大な「はに丸タワー」が誕生しました。
笠間市の鳳台院の達磨大師像
次に紹介するのは、笠間市の鳳台院にある達磨大師像です。この達磨大師像は、世界最大級の達磨像とされ、高さは10メートルにも及びます。「達磨」とは、中国禅宗の祖とされる人物で、修行の象徴ともされます。
この達磨像は、2001年に当時の住職が中国に留学した際に、達磨が修行した少林寺を訪れ、その強い印象から自分の寺にも達磨の像を作ろうと考えたそうです。その結果、現在の世界最大級の達磨像が生まれました。
なお、なぜここまで大きくしたのかについては明らかにされていませんが、「珍しいものを作った方が、人に来てもらえる」という考えから、大きく作られたと考えられます。
那珂市の一乗院の毘沙門天像
那珂市の一乗院には、「日本一の毘沙門天」と呼ばれる16メートルの毘沙門天像が立っています。「毘沙門天」とは、仏教の守護神で、特に災難を避ける力があるとされています。
この毘沙門天像は、一乗院の開基800周年を迎えた2007年に、記念事業として作られました。当時の住職が、「何か大きいのを作りたい」と考え、寺が所蔵している鎌倉時代に運慶が作ったとされる毘沙門天像を大きくしたことから、この像が生まれました。
なぜ日本一の大きさを目指したのかについて、先代住職は「毘沙門天は最強の神だから、大きい方がいいと思った」と語っています。現在では、この像を見るために多くの人々が一乗院を訪れるようになりました。
茨城県民の心意気
なぜ、茨城県民はこれほどまでに巨大な像を作り続けるのでしょうか。その理由については、「茨城の人は負けず嫌い。だから日本一が好きなのかもね」との声もあります。つまり、巨大な像を作ることで、地域の魅力や誇りを形にし、多くの人々にその存在を知ってもらいたいという強い思いが込められているのかもしれません。
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